〔これからも話を届けるために〕
先日,講師依頼コンサルタント会社に講師登録をしました。これでオファーがあれば内容を吟味したうえで,講演することができます。
講演を重ねた先に見えた光
昨年の3月以来,私は数十回に及ぶ講演会を行ってきました。規模としては1名から800名まで,年齢構成も小学生から80歳代まで,開催地も全国各地というように多岐にわたりました。
私の思いはただひとつ。私の体験や思いや気づきを多くの方にお伝えしたい。それが私に与えられた使命なのだと。
講演を重ねていくとともに,私の背中を押してくれる力は大きく強くなっていきました。演壇に立つ前には緊張したり怖れを抱いたりするのですが,実際に話してみると話を聴いてくださる皆さんは私をとても温かく迎えてくださったのです。
その先に見えてきた光,それは
「私の話には,聴いていただくだけの価値がある」
「私の話は,聴いていただいた人を励ます力を持っている」
という確信です。
これまでも私は同じようなことを主張し続けてきました。しかしそれは論理的に考えた結果であり,しり込みしたくなる己の気持を奮い立たせるためのアファメーションでした。
ここに記したのはそういうものではなくて,実際に多くの方と接して得た実感なのです。
私にしか話せない
その最も重要なポイントは,
〈闘病と気づきは私にしか話せない〉
ということです。
全国には私よりも重い病や不治の病に苦しんでおられる方々がたくさんいます。
たしかに私も余命は告げられましたが,生体肝移植を行った結果,死に対する不安は大きく取り除かれました。そういう意味では,闘病生活を語るのには私より優れた方がいらっしゃるというのは事実でしょう。
しかし,人前で話すということになると,単純な話ではなくなります。病と闘っておられる方々の多くは,闘病や日常生活について話すということについて戸惑われるようです。また,人前に立ち話すことができる体力があるかどうかも大きな条件になります。
私は長年小学校教員として教壇に立ち続けてきました。話す内容を分かりやすく構成し,人前で躊躇なく話すことは,教員として鍛えられてきたスキルです。毎年多くの方と接する機会・場所に恵まれたので,その場・人に応じた様々な話し方ができます。また,その場の雰囲気を察して話す内容を瞬時に再構成したり,新たに作ったりすることもできます。
そしてなにより大きいのは,家族性アミロイドポリニューロパチーという病気は国の指定難病であるということです。指定難病ということは患者数が少ないということです。ですから闘病体験の数自体が少ないので,話す事ができる人がもともと少ないのです。
この難病自体の認知度を上げ,病と前向きに共存していく重要性を伝えるためには,
- 病気について広く知らせたい
- 闘病生活の中で得た気づきを伝えたい
という意欲を持っている患者が講師である必要があり,そうでなければ,その活動は続ける事が難しいということなのです。
〈私にしか話せない〉
というのは決して大げさではなく,以上の条件を考えると真実だと思うのです。
全国に伝えていきたい
私はできるだけ多くの方々に思いを伝えたい,そう願って日々活動しているのですが,波及は私一人の力ではたかがしれています。そこで思い至ったのは,講演をしたい人と講師を探している団体をマッチングする会社に講師登録をするということでした。
現在のところはまだ1件に申し込んだだけですが,これから増やしていくつもりです。
また同時に,皆さんからの要望にお応えして全国各地に伺って参りますので,ご連絡をよろしくお願いいたします。