京都の町並

【オンパットロの衝撃】

〔こんなディープインパクトが!〕

従来とは違う薬効

ここ数年,私たち患者にとって大きな福音となったものに,新薬の開発があります。それまでは肝臓移植くらいしか治療法がなかったのですが,点滴でアミロイドの産出を抑えられるようになってきたということで,これからの世代は外科手術をしなくとも良くなるのではないかという可能性と希望を見出すことが出来たのです。
しかしそれは,今までの薬〈ビンダケル〉を置き換えるような内容で,画期的とまではいえないものだったのです。
※それでも,数ヶ月に一度点滴をすれば良いというのはすごいことなのですが。

しかし昨年登場した新薬は違いました。日本で最初の,遺伝子に働きかける薬なのです!

Alnylam Japan(アルナイラム)は9月9日、トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬・オンパットロ点滴静注2mg/mL(一般名:パチシランナトリウム)を発売した。同剤は、国内における初のRNA 干渉(RNAi)治療薬。

トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーは、トランスサイレチンというタンパク質(TTRタンパク質)を作るTTR遺伝子の変異が原因で生じる進行性の難治性疾患。TTR遺伝子変異により、TTRタンパク質由来のアミロイド線維が形成され、末梢神経や心臓など全身の臓器・組織に蓄積し、治療困難な神経障害や心機能障害、自律神経障害等の多様な症状が現れる。

同剤は、TTRを標的とする RNAi 治療薬。標的となるTTRメッセンジャーRNA を分解し、TTRタンパク質が作られる前に、その産生を阻害するように設計されているという新たな作用機序をもつ。肝臓でのTTRの産生を阻害し、体内組織でのTTRの蓄積を減少させることで、同疾患の症状の改善や進行を停止または遅延させる。

(出典:ミクスОnline

アミロイドの産生を阻害!

これは大変な進歩です。今まではアミロイドが出ないように(または出にくくなるように)という観点で投薬されていたところを,アミロイドが生まれること自体を防ごうというのです。

私は既に発症しているので新薬の効果は期待できないのですが,これからの世代に対する効果はとてつもなく大きいでしょう。一気に目の前の霧が晴れていくような感動を私は覚え,体が震えました。

患者と家族の不安を取り除くために

実はこの新薬を開発した製薬会社は,家族性アミロイドポリニューロパチーに苦しむ私たち患者と家族のために,ウェブページ〈the BRIDGE〉を新設してくれました。そこには,誰にも言えない悩みを抱えている患者・家族に寄り添う内容が満載です。

私はこの会社のインタビューを受け,患者としての考えを述べさせていただきました。私がインタビューに答えた内容は,こちらに掲載されています。よろしければご覧いただきたいと思います。

私のインタビューページ

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