【我が家のまちがい探し】

〔机の上に残ったチョコレート〕

ある日のこと。食卓の上に,1粒のチョコレートが取り残されていた。何の気なしに眺めていた私は,ちょっとばかりの違和感を覚えた。
そして気がついたのだ。

とても珍しい風景

我が家の食卓上に残るチョコレート。人が見ればなんでもないこの光景だが,我が家に於いてはとても珍しいことなのだ。

まずは食事が終わった食卓に,食べるものが残されたままでいるということが珍しい。
しかしそれよりも珍しかったのは,残されたチョコレートがどの席にあったかということだった。

チョコレートは,私の席に残されていたのだ。
少しでも私を見知っている方は,ここで大いに驚くだろう。私は大のチョコレート好き。他の誰が食べなくても,私がチョコレートを残すなどということは前代未聞の珍事なのだ。

悲しい現実

それは単なる偶然ではなかった。私は理由があってチョコレートを残したのだ。

要するに,味が分からないのだ。食べても幸せを感じられないのだ。

これが純然たる“食事”であれば,私はチョコレートを食べただろう。食事は摂らなければならないもの。摂取しなければ健康を保つことができないもの。
そこには,選択の余地はない。食事は摂るべきであって,美味いから食べるとか,美味さを感じないから敬遠するとかいう選択肢がないものなのだ。

大好きだったチョコレートを食べることに喜びを見いだせなくなった,これは“間違い”ではなく,悲しい現実だった。

新たな習慣の獲得へ

しかしこれは見方を変えれば,新たな習慣を獲得するチャンスでもある。
誰もが、チョコレートは身体に良いものではないということを知っている。特に,糖分がたっぷり含まれたミルクチョコレートについては。

私はこの機会に,チョコレートやシュークリームなどを食べなくすれば良いのだ。その結果胃袋に空いた隙間に,もっと栄養価の高い,正しい身体を作る栄養を詰め込めばよいだけの話である。


私はノスタルジックに浸る暇は持ち合わせていない。少しでも早い回復を! そのためにできる努力は進んで行う!
今日起こった出来事から,そんな私の未来が垣間見えるといったら言い過ぎだろうか。

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