〔運命の靴と出会うまで〕
バスケットシューズが壊れた!
ある日,隣町で開かれた学習会に参加しました。学習内容はすばらしくて参加しがいのある,とても有意義なものでした。
喜んで意気揚々と引き上げようとしたその瞬間,“悲劇”は訪れたのです。
私のお気に入りのバスケットシューズが,見るも無残に壊れてしまったのです。どのような力が加わったのかは分かりませんが,足下に違和感を覚え,足元を見てみるとバッシュのソールがぺろんと剥がれ,縦に二つ折りになって私の足で踏みつけられていたのです。
私がバッシュを愛用する理由
以前にもお伝えしたように,私の足は腫れています。だから通常の靴は履くことができません。外出時,唯一使えるのは,紐で容易にサイズを可変できるバスケットシューズだったのです。
バスケットシューズには大きく分けて2つの種類があります。〈ハイカット〉と〈ローカット〉です。
バスケットボールという競技は足と脚への負担の大きいスポーツです。特に踵(かかと)や踝(くるぶし)は破壊されるためにあるといっても過言ではないくらい,危険にさらされています。単位時間辺りの運動量では,水球に次ぐものだそうで,走行距離はサッカーの比ではありません。
そんなバスケットボール選手の足元を守るために,シューズは踝までしっかりと包み込まれたものが多用されています。
しかしこれには弱点があります。それは,“踵が包まれているので,急な方向転換などは苦手”だというものです。
ですから,選手の中でも方向転換の多い選手(ポジションで言えばガードの選手,いわゆる“バックコート”です)は踝まで保護されていない,可動域の大きなバッシュを好んで使います。これが〈ローカット〉です。
対して方向転換よりもジャンプやそれに伴う着地が多い選手(ポジションで言えばセンターやフォワードの選手,いわゆる”フロントコート”です)は可動域を多少犠牲にしてでも踵の上までしっかりガードされているバッシュを使っているのです。これが〈ハイカット〉です。
前置きが長くなりました。私のポジションはセンターだったので,私のバッシュは〈ハイカット〉です。踵が安定しない歩行困難者の私が履くにはぴったりの靴です。
しかもブランドは〈エア・ジョーダン〉!
有名な靴なので,知っている方もたくさんおられるのではと思います。その大事な靴が,壊れてしまったのです。
やはり屋内用か
元々は屋内用に購入したバッシュ。でも病を得た後ではスポーツに使うことができなくなっていました。しかし高価なものでもあり,思い出も沢山詰まっていた(小学校のクラブ活動で,バスケットボールクラブの顧問でした)ので手放す気にはなれず,新居にまで持ってきていたのですが,妻の一言
「置いてあるだけじゃもったいない。使えば?」
に納得し,屋外履きとして使うことにしたのが10ヶ月ほど前でした。
高性能なバッシュですが,やはり屋内用。使用環境の異なる屋外では,その性能の全てを発揮することはできなかったようです。しかしその衝撃吸収性能の高さは,私の歩行を随分と助けてはくれたのですが。
以前から気になっていた店へ
そこで私は以前から気になっていた店に行ってみることにしました。私の住む町,福岡県八女市内にある『あるくとぷらす』です。
ここは店外に見事な鼻緒のディスプレイが飾ってあったり,運動療育と個別学習の児童デイサービスがあったりと,心に引っかかっていた店でした。
以前から妻には
「今度靴を買う時は,この店に寄ってみたいなぁ」
と話してあったのです。
隣町からの帰り道にその店はありますから,わざわざ出かけるという手間を感じることもなく,スムーズに訪れることとなったのです。
そこで私は,驚くべき”運命の出会い”を果たすことになります。
(つづく)
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