〔感謝と驚きと願いと〕
本日12月17日は,私の誕生日です。今日から私は56歳になりました。この1年を振り返り,新たな1年を展望する日にしたいと思います。
死んでるように生きたくない
この1年間で最も大きかった変化は,外の世界に向けてのアピールを進めるようになったということでしょう。本の出版を決め,講演会に取り組む肚を固め,クラウドファンディングで活動への支援を募る。その“前向き度”は,それまでの私からは想像もできないほどの変化でした。
私を突き動かしたもの,それは
「死んでるように生きたくない!」
という一念に尽きます。
難病〈家族性アミロイドポリニューロパチー〉に苦しみ,生体肝移植の影響で死の淵をさまよい,生きることに対して前向きになることのできなかった日々。病床から部屋の天井を見つめ,悔しさに歯噛みし哭いたあの日。3年前の私は,死んでいるも同然だったのです。
しかし私は蘇ることができました。それは教え子たちのおかげであり,病院の医師・看護師・移植コーディネーターチームの献身の賜物であり,応援してくださる方々の励ましの後押しの結果であり,そしてなによりも妻をはじめとする家族の強力なサポートの結実でありました。その過程で私は身も心も生まれ変わることができました。生に感謝し,常に前を向いて歩むことの大事さを悟ったのです。
まずは約束を果たす
生理的に生きているだけでは,生を全うしているとはいえない,大まかに言うとそういう境地に立った私は,与えられた生命を輝かせることを考え始めました。
私はまず,教え子たちとの約束〜病気を乗り越え,再び教壇に立つ〜を果たすことに集中しました。日ごとに厳しさを増すリハビリに耐え,その記録を詳細に取りました。いつか小学校の現場に戻った時に自身の闘病の様子を子どもたちに伝えられるように。
「先生は約束を果たすために,こんなことを頑張ったんだよ」
と,胸を張って子どもたちに言えるように。
かくして私は死の淵から蘇り,小学校の現場に舞い戻ります。教え子たちは復帰した私を見て,さも当然という接し方をしてくれました。まるで
「先生が約束したんだから当たり前」
というかのように。私はその反応がとても嬉しかったのを覚えています。
私の話は人を励ます
現場に戻った私は,道徳の学習の一環として自身の体験を子どもたちに伝えます。子どもたちはまっすぐな反応を示してくれました。曰く,
「命の大切さが分かりました」
「諦めずに頑張れば夢は叶うということを教えてもらいました」
「一度諦めた夢があるんだけど,もう一回頑張ってみようと思った」
「これからは前向きに生きます」
「先生,戻ってきてくれてありがとう」
などなど。
ここで私は気づくのです。私の話は悩める人を励ますことができると。半年間の復職を経て正式に退職した私は,全国をめぐりながら自身の体験談を語っていきます。その度ごとに言われたのは,
「この体験を,できるだけたくさんの人に伝えてください」
の言葉でした。
講演家として
私の肚は決まりました。これからは講演家として活動していこうと。私はクラウドファンディングで支援を募ります。その結果,多くの方にご支援をいただくことができ,それを力に全国で講演活動を始めました。
また,より多くの人を励ますために,本の出版も決めました。講演会から出版決定までの流れは,それまでの数年間を数週間の中に凝縮したように,驚くべき濃さと速さで進んでいきました。私が現在取り組まねばならないものの実体がようやく姿を現したので,一気に加速したのです。
おそれずあせらず前進を続ける
一年を振り返るといいながら,随分と話を広げてしまいました。しかし私の一年を振り返るためには,どうしてもこの3年間をみつめなければならないのです。
さて,新たな一年で私が取り組むつもりのことを挙げてみましょう。
- 出版のために執筆活動に集中する
- 講演旅行に耐えられる体力を取り戻すべくリハビリに取り組む
- 楽器演奏に取り組む
- 地元に貢献できる道を探し当てる
じつはまだまだ計画しているものもありますが,それらについてはまたご連絡いたしますね。
皆さまからいただいた,これまでのご恩に感謝するとともに,これからへのご支援も併せてお願いします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
この記事へのコメントはありません。